めまいの原因は大まかに分けて「耳の病気から起こるもの」「頭の病気から起こるもの」「全身性」の3つに分けられます。耳鼻科・耳鼻咽喉科の領域では、内耳の異常でめまいを生じている可能性が高く、難聴や耳鳴りを伴う場合もあります。まず聴力低下がないか聴力検査を行い、メニエール病などの疾患でないか判断します。

めまいの種類に応じて、それぞれ適切な診療科があります。

耳鼻科・
耳鼻咽喉科
耳が原因のことが多く、突発的に起こることがほとんどです。耳閉感、難聴、耳鳴を伴うことも多いです。

脳神経内科
脳神経領域からくるめまいは、脳循環障害、脳梗塞などがあります。突発的に起こる場合と、徐々に生じる慢性の場合があります。

内科・循環器科
立ちくらみ、目の前が暗くなる、気が遠くなるなどの症状を伴う場合、血圧や貧血が関係している可能性が高いです。

めまいを感じて不安な方は、最初から自分で判断せずにまず受診していただいて構いません。脳外科や内科的疾患が考えられる場合は、近隣の適切な医療機関をご紹介します。

めまいが生じたときは吐き気や嘔吐を伴う場合があり、不安感がめまいをいっそう強める場合もありますので「めまいを抑える薬」「吐き気や嘔吐を抑える薬」「不安を和らげる薬」などの内服でめまいを抑えます。めまいが落ち着いているときには、めまいの原因を改善・予防する薬の内服や心理療法、運動療法などを行います。睡眠・ストレス・食生活・飲酒や喫煙などの生活習慣も影響を及ぼすので、医師と相談の上めまいが起こりにくい生活を普段から心がけましょう。

回転性のめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感などの症状を繰り返す疾患です。症状は数分から数時間続き、発作の間隔も1年のうちに何度も発症したり、数年間ずっと発作がなかったりと個人差があります。「内リンパ水腫」と呼ばれる内耳のむくみが原因で環境が変わったり、ストレス・疲れ・睡眠不足・天候や気圧の変化などが続くと起こりやすいとされています。発作を繰り返すことで耳鳴りの慢性化、難聴の進行などを引き起こすこともあるので症状が疑われる場合は早めに受診しましょう。

回転性めまいの症状を起こし、吐き気を伴うこともあります。横になったり起き上がった時、寝返りを打った時や歩行時など頭の位置が変わった時にめまいが起こり出すのが特徴です。安静にじっとしていると多くの場合は1分以内、長くても5分以内にめまいは治りますが、再び動き出すとめまいが起こり出します。内耳の前庭という場所にある耳石がはがれて半気管の中に入り込み、リンパの流れに異常が生じるのが原因だと考えられています。良性発作性頭位めまい症のめまいは短期間で消失することが多いですが、他の原因でめまいが起こっている可能性もありますので念のため耳鼻咽喉科での受診をおすすめします。

突発的に激しい回転性のめまい、吐き気、嘔吐が起こり数日〜1週間続きます。ウイルス感染が原因と考えられており、風邪症状の後に起こることもあります。良性発作性頭位めまい症と異なり、じっと安静にしていてもめまいはおさまりません。難聴や耳鳴、意識障害、麻痺などを伴うことはなく生命に危険のある病気ではありませんが、激しいめまいのため歩くことや食事を摂ることも困難になる事もあり入院治療が必要になる事もあります。